ご家族がお亡くなりになって、相続が発生すると、遺言がない場合は故人の遺産の分け前を相続人間で取り決める「遺産分割協議」を行う必要があります。
その「遺産分割協議」を取り決めした内容をまとめたものが遺産分割協議書です。
遺産分割協議書があれば、不動産の所有権移転登記や預金の名義変更などの相続手続を行うことができます。
逆に言うと、遺産分割協議書がなければ、これらの相続手続が行えません。
しかし、実際に遺産分割協議書を作成するとなると、「遺産分割協議書の書き方がわからない!」という悩みをよくお伺いいたします。
そこで、この記事では、広島市で相続業務を10年以上取り組んできた相続や遺産分割に詳しい弁護士が、遺産分割協議書の書き方を解説いたします。
遺産分割協議書のひな型もダウンロードできるようにご用意しておりますので、あわせてご覧いただければと思います。
(下記をクリックするとひな型がダウンロードできます)
遺産分割協議書に記載すべき内容は大まかには下記の通りとなっております。
遺産分割協議書の作成の手順は、下記のようになっております。
遺産分割協議書は、遺言書と異なり、手書きでもパソコンでも作成が可能です。ですので、最初は遺産分割協議書を手書きで作成するか、パソコンで作成するかを決めます。どちらについても、ひな型を参考にしていただければ、作成する様式は問いません。
この情報は、相続人調査の際に取り寄せている戸籍や住民票から把握できます。
「1,2,3、、」と項目付けして記載していきます。この項目付けには定型はありませんので、わかるようにしておけば問題ありません。また、記載する順番に決まりはありませんが、年齢順である場合が多いです。
遺産分割協議書に署名と実印が押されれば、基本的に遺産分割協議は終了となりますが、その後に判明した財産について、どのように取り扱うかを取り決めし、記載する項目です。
遺産分割協議が終了した後に発見された再度遺産分割協議を行う、という旨を記載する場合が多いです。
遺産分割協議書の最後には、相続人全員の住所・氏名を記載し、自署の署名と実印(認印)を押印します。なお、一部の相続人が遠方の場合などには同じ内容の複数の遺産分割協議書を作成し、各自が署名、押印することもあります。
また、遺産分割協議書が複数枚になる場合、製本して実印を使って割印を押して完成となります。
ここでは、遺産分割協議書を作成する上でのポイントをまとめました。
遺産分割協議の結果、不動産や非上場の株式など、分割が難しく評価額の一部を現金で代わりに支払う、代償分割を実施する場合は下記のような記載が適切となります。
相続人の中で、その人単独では法的意思能力がないとみなされる人がいる場合には、家庭裁判所が選任した特別代理人等が代わりに遺産分割協議に参加し、その意思を代わりに決定することになります。
その場合、遺産分割協議書の最後の署名押印欄が通常とは異なる書式で記載する必要があります。記載方法は、相続人の氏名の後ろに特別代理人であることを明記し、特別代理人が署名し実印で捺印を行います。
遺産分割協議書の中で、不動産の分割事項を記載することがありますが、その不動産の内容は一言一句間違えないようにするためにも、登記簿謄本の内容をそのまま記載しましょう。
なぜなら、不動産の名義変更(相続登記)の際には遺産分割協議書が必要となり、不動産の登記簿謄本と遺産分割協議書に記載された不動産の記載が違っていた場合、最悪不動産の名義変更ができない可能性があります。
確実な記載をするためにも、登記簿謄本を取り寄せておきましょう。
具体的に記載すべき部分は、下記のとおりです。
土地 | 地図番号、筆界特定、所在地、地番、地目、地積、 |
建物 | 所在地、家屋番号、種類、構造、床面積 |
遺産のうち、マンションの1室のみがある場合の書き方も、通常の土地や建物と同様に、登記簿謄本に沿った記載となります。ただし、この場合は、建物全体の記載をした後に所有している専有部分と持分である敷地権の記載をしなければならないため、表記が長くなります。
記載方法の例を以下に記載しております。
1棟の建物の表示
被相続人が土地の権利のうち、3分の1のみを所有している場合(これを共有持ち分といいます)、遺産分割協議書にもその旨を記載する必要があります。
こちらの記載は上記のマンションほど、手間はかからず、不動産の情報の最後に「持ち分」の表記をするのみです。
記載の例は下記のとおりです。
預貯金や株式については、金融機関名はもちろん、支店名、普通・定期などの種別、口座番号を特定できるように記載しましょう。(ひな型には銀行の普通預金の場合と定期預金の場合を記載しております)
※退職金や生命保険金は、あらかじめ契約時に受取人が定められており、遺産分割協議の対象外となっているため、遺産分割協議書に記載する必要はありません。
遺産分割協議書には、後日のトラブルを避けるためにも相続人全員が自筆でサインをすることが望まれます。また押印は、必ず実印で押印しましょう。その際には印鑑証明書もセットで必要となります。提出先によっては、自筆の署名・実印の押印ではないと受理してくれない場合がありますので、必ず確認しましょう。
上記のようなことをお考えの方は、ぜひ一度広島の相続に強い弁護士に相談しましょう。
遺産分割協議書は相続人全員の合意がないと成立せず、遺産を分けることができません。
その場合、例えば預金の引き下ろしができなくなったり、不動産の名義変更ができなくなったりと、相続人の方々がお困りになることがとても多いです。
早期に遺産を全員が納得できるように分配するために、トラブルや意見の相違が発生すると考えられる場合は、一度弁護士にご相談ください。
相続人の方々が得られる適切な相続財産額や、方法をお伝えすることができます。
遺産分割協議書の作成は細かなことまで気を遣って作成することになります。
当事務所にご相談いただき、やっとの思いで遺産分割協議をまとめたものの、そのあとの遺産分割協議書の作成でさらに大変な思いをされる方を多く見かけております。
また、その遺産分割協議書の内容に不備が見つかり、再度遺産分割協議をすることになった事例や、場合によっては遺産分割協議書によって相続争いが発生してしまった事例もございます。
そこで、当事務所では、遺産分割協議の交渉サポートに限らず、遺産分割協議書案の作成、遺産分割協議書の作成代行をお受けしております。
広島で遺産分割や遺産分割協議書の作成などでお困りでしたら当事務所までお気軽にご相談ください。
齋藤法律事務所では、初回相談は無料となっております。
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